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相棒元日スペシャル『帰還』の感想 (ネタバレあり)

 


もう正月迎えて10日以上経つというのに、今さら『相棒15 元日スペシャル “帰還”』 の話をしたいと思います。
相棒見てないとか、興味ない人、ネタバレされたくない人もいると思うので、読みたい方だけContinueを押してください。
しょうもない感想と分析が書いてあります。




 



さて相棒の話です。
Season15になって、なんか重たい救われないストーリーが増えた気がする相棒。
演出にもホラー演出なんかが組み込まれてますよね。

Season15の初回2時間スペシャルでも、流れる水の中から撮影するという演出がムダに何度も成されていて、何を意図してるんだろう?とイライラしながら思っていたら、最後に犯人が同級生の顔を水に漬けて殺すというシーンで、画面いっぱいに苦しみもがく女子高生の顔がドンッと映し出されるといいうショッキングな演出に繋がっていました。
あ~なるほどなぁ、ここにつながるかと。
呪いだとかがこの話の肝だったので、もしかしたら殺された人の怨念が、水の中から自分たちの事を調べている杉下たちを見ていたという演出だったのかねぇとか思ったんですが、そうなるとさらにホラー感が増すんですよね。
そして、最後に殺した自覚の無かった犯人が、自分の犯した罪に耐えきれなくなり、クビをフォークで刺して自殺するんですが、これがまたホラー演出なんですよね。
まぁ私は、どこの警察系ドラマでも見られるような軽いストーリーは嫌いなんですけど、安達祐実が出演していた回のような重たい救われない話は嫌いではないんです。
だから大丈夫でしたが、『相棒』を支えている主婦を中心とした圧倒的女性票はこの演出や脚本をどう捉えているのかなぁと心配になる感じでした。
まぁ相変わらずの反町演技があっても、こういう重いストーリーが前より増えたので、このシーズンは嫌いじゃないです。


さて、元日スペシャル。
感想を簡単に言うと『とっちらかりすぎ』ですかねぇ。


ストーリーは、東京の外れにある黒水町に飛ばされた特命係の2人。
そこで警官連続失踪事件に出くわし、さらに宗教団体、麻薬、なぜかスクープをつかむ地方局のジャーナリスト、裏のありそうな警視総監、前科のある喫茶店の2人、警視庁のハッキング、わけの判らない外国人部隊、出てきた瞬間に怪しい八嶋智人と、目線だったり思考が動きまくるので落ち着かない。
そして、これらの話が最終的にまとまればまだいいですが、タカハシというジョンレノンの出来損ないみたいな人を信じていたアパートの人たちはどうなったのか。
なぜ槙野真理男は小さい頃からあんなにも強かったのか。
そして、なぜ逃げる必要があったのか。
シロクマの意味は?など、回収されていないものが多すぎます。
見ている側が混乱してしまったり、話に置いていかれると、ストーリーに入っていけなくなるのでそこは気をつけてほしかったなぁ。


演出もどうなんですかね。
なんでかああいった地方の宗教団体を描こうとすると、それこそ仲間由紀恵が出演していた『TRICK』みたいな安い団体として描いてしまうんですかねぇ。
もっと、ここまで心酔しているんだという演出が欲しいのですが、なんか町内会みたいな集まりに見える。
ストーリーの都合上、仕方なく出してきたカードのように見えて残念でした。



さて、この元日スペシャルを理解する上で、絶対に外せないものがあります。
それはデビット・フィンチャー監督作品の映画『セブン』です。
しょうじきこの『セブン』はテレビでも何度も放送してるんでネタバレしてもいいよなと思ってたんですが、見てない人には絶対見てほしい作品なので書こうかどうか迷いました。
見る気がある人はここから読まないでください。

『セブン』とは、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンが主役の映画で、ケビン・スペイシーが犯人役というものすごい豪華な映画でした。
話の内容は、若い白人刑事と定年間近の黒人刑事2人が連続猟奇殺人犯を追いかけるという話。
ほらもう相棒に近いでしょ。
殺人現場に残された7つの大罪の言葉の意味とは。
今回のスペシャルにもありましたよね。
ストーリーも終盤に差し掛かったところで、犯人であるケビン・スペイシーが自首してくるところから話が大きく展開していく。
ほら、ここも今回の相棒と一緒でしょ。

ラストシーン。
荒野にたたずむ3人。
そこに一台の配送車が。
小包を受け取るモーガン・フリーマン。
中身を確認したモーガン・フリーマンは、走りながらブラッド・ピットに『銃を下ろせ!』と叫ぶ。
小包の中身が何かを銃を構えるブラッド・ピットに教えるケビン・スペイシー。
動揺するブラッド・ピット。
なんとか落ち着かせようとするモーガン・フリーマン。
決定的な一言を放つケビン・スペイシー。
映画史に残るブラッド・ピットの顔のアップ。
ケビン・スペイシーを撃つのか撃たないのか。

ほら、もう相棒のラストシーンでしょ。
自分を殺させる事で7つの大罪を終えようとするケビン・スペイシー。
自分を殺させる事で冠城を悪の世界に引きずり込もうとする八嶋智人。
こちらの世界に引き止めようとするモーガン・フリーマン。
こちらの世界に引き止めようとする水谷豊。
撃つのか撃たないのか。
撃つのか撃たないのか。

ほぼ一緒です。
しかし、中身的には足元にも及びません。


セブンでは、奥さんの死によって人の道を外しそうになるブラッド・ピットというのが描かれていました。
映画の中でグウィネス・パルトロウ演じる奥さんとの愛情というものがしっかり描かれているので、ラストシーンのブラッド・ピットの顔のアップの時に、見ているこちら側も『撃て!いや撃つな!』という苦しさを共有する事になるわけですよね。
しかも最後に決定的な言葉でさらに追い込まれる。
すごい演出だなと思います。
それに対して相棒の反町隆史はどうだったか。
元日スペシャルではこのように描かれていました。

認めていたジャーナリストの女性の死。
拳銃に弾を込めていく反町。
この演出により、反町演じる冠城は、犯人である八嶋智人を撃つ気なんだと伝わってきます。
檻の中の八嶋と対面する反町。
撃つように仕向ける八嶋智人。
プロジェクターで何度も流される爆破シーン。
「あの女はネタのために俺と寝た」と挑発する八嶋智人。
拳銃を取り出す反町。
そこに遅れて飛び込んでくる水谷豊。
撃つのか撃たないのか。

いやいや、ムリがあるでしょ。

ドラマの中では反町が、女性ジャーナリストと一度だけ食事に行って、相手の仕事に対する情熱を感じたという演出はされていたけど、それだけで八嶋智人撃ち殺す理由にはならない。
やはり反町が、その女性と肉体関係を持って、強く惹かれ合っていくというくらいの繋がりが描かれていないと殺人衝動を起こしちゃいけないと思うんですよね。
これじゃただの危ないやつでしょ。
しかも、水谷豊が飛び込んできた次の瞬間には発砲してるしね。
視聴者側の気持ちがそこまで追い込まれていかないから、緊迫感が全く無い。
どうせ殺さないだろと思ってしまう。
もったいない演出だなぁと。
セブンと比べるのはかわいそうだけど、オマージュとして扱うなら、もっと大事に扱ってと思いましたね。


そして、これも元日スペシャルを理解する上で絶対に外せないのが、クリストファー・ノーランが監督した『ダークナイト』です。
相棒ファンならダークナイトと聞いた瞬間に、甲斐享を思い出すでしょう。
成宮寛貴のあの問題作です。
しかし、このブログでもその事については書きましたが、今回はそれと関係ありません。
相棒のスペシャルを見た人たち大多数の人が抱いたであろう思い。
それは『八嶋智人のキャラが気持ち悪くて納得できない』でしょう。
まぁ言いたくなるのはわかりますけどね。
沢山の人を殺し、最後の最後まで反省をしない。
もっとスッキリさせてほしかったと思う人がほとんどでしょう。
ぷぴゃ~お~!とかわけの判らない事を言って、何がしたいのかわからない。
胸糞悪くなるのは当たり前です。
んで、この八嶋智人演じる和合町長ですが、この人はけっきょく何がしたかったのかというと、別に何もないのです。
何がしたいのかわからないから怖いんです。
この八嶋智人演じる和合賢人という名前も、和合は仲良くなることであり、賢人は徳のある人の事。
そのどちらからも遠い存在であるという皮肉なんでしょうね。
そして、ここが大事なのですが、この八嶋智人の和合というのは『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーです。


バットマンの敵であるジョーカーは、銀行強盗するんですがお金に興味がない。
仲間である手下でも簡単に撃ち殺しちゃう。
そして自分の死に関しても興味が無い。
純粋な悪です。
その悪にバットマンが引き込まれるかどうかというのが見どころでした。
相棒も一緒。
和合はIT社長であっても町長であってもその社会的地位に興味は無い。
お金にも興味が無い。
人を意のままに操り、気持ちのままに殺人を犯す。
純粋な悪。

殴られながら、お前も俺と同じだろ?人なんてみんなそんなもんさとバットマンを笑うジョーカー。
殴られながら、正義なんて言ってるけど、けっきょくは俺と同じじゃないかと冠城を笑う和合。
まったく一緒。
一緒だけど重みがまったく違う。
やはり中身的に足元にも及ばない。
もったいない。


ただ、胸糞悪いまま終わらせるのはマズいと思ったのか絶対的正義である杉下右京の影響で、小宮孝泰演じる黒水署長の国奥は、警察のミスについて記者会見で謝罪するなと言われましたが、正義感から陳謝し、仲間由紀恵演じる社美彌子が頭を抱えるというシーンがありました。

正義という拳を持って四方田と和合を殴った牧野は、正義による暴力とはいえ、やはりダークサイドに落ちそうになっていました。
取調室の暗い隅でうずくまっている槙野に、窓から陽の光が顔に射しているライトサイドの右京が手を差し伸べる。
ライティングでこんな不自然な配置はしないでしょうから、これはそういう意味なんでしょう。
そして最後に立ち上がり、ありがとうございましたと深々と礼をする槙野の背後には、その陽の明かりが射している。
牧野もライトサイドに戻ったよという事なんでしょうね。


ただやっぱり話がとっちらかってるから、何を言いたいのかがわかりづらい。
なので、いつものというか、今までの相棒に慣れた人にはおもしろいと思えない内容だったかもしれませんね。
まぁ実際そんなにおもしろくはないんですけど。

個人的には誤認逮捕された若者3人がいい味を出していたんで、あの3人が最終的に黒水町の人に迎え入れられて笑ってるというのも入れてほしかったなと思いますね。
なんかいろいろもったいないスペシャルでした。


長々と読んでいただきありがとうございました。




あ、小ネタとしては槙野真理男は、ファイターズ大好きアイドルである『モーニング娘。』の牧野真莉愛ちゃんをもじったものですね。
あと、喫茶店の『りかこ』役をやってた仁村紗和ちゃんがかわいい。
やっぱナチュラル眉太はいいですね。


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プロフィール

コンサどん

Author:コンサどん
スポーツが大好きな44歳(旭川・男)
おっさんの仲間入りを果たし、ちょっとうれしく思う道民です。

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